自伝17話/27 転機 モラハラから逃げる 別居

 子どもが高校に上がると、暴言が減り夫は高校卒業後の子どもから取るお金の話をし始めた。

 「家から通うなら、部屋代として月5万円ぐらいでいいかな?電気代はいいにしてやってもいいよね?」と 私に話しかけてくるので意味が分からず、ドン引きして言葉にならなくて、自然と私の反応が減っていた。

 

 上の子どもが就職し、自宅から勤務先まで1時間以上かかるので、寮生活になった。

 下の子供が高校2年になると、「長男の職場に近い方がいいから、土地を買って新築を買おう」と言い出し、探し始めた。

 相談するように話しかけてくるが、私には選択権はない。同調しなければ説教と呼ばれる人格否定、長時間の罵倒が待っている。

 

 そんなある日、私の母が訪ねてきたので、土地を買って新築を買おうとしていることを話した。母は「取り返しのつかないことになるよ」というので、自分に選ぶ権利が無いことを話すと共依存を調べてと言って帰った。出かける時は夫に言わないと後ろめたいことをしていると疑われるので許可を取るようにしていたが、「実家に寄りたい」と言うと「用が無いから行かなくていい(=行くな)」と言うので10年近く行けなかった。

 

それが、行動のトリガーになる。

 結婚前、何かあったら行動できるように「キーマン」を決めていた。

 母は『感』が良いので、こういう時 頼りになる。

 

 夫の「家を買う」という行動は義母(夫の親)に喜んでもらう、兄ではなくて義母に自分を『選んでもらう』ためであった。

 思い返せば、結婚当初は兄弟の仲がいいことを自慢していたが、上の子が高校生になったころから(義理の)兄の悪口を言うようになっている。

 兄の悪口を言うようになったのも義母の影響である。兄夫婦と義母は同居していて、兄が義母に優しくしない、兄夫婦が義母をいじめる、うつ病は私(義母)への当てつけだ、とか

兄を精神的に追い詰めた結果 鬱になったのにも関わらず、義母が「私は可哀そうな人」を演じるために、うつ病になった兄を責め立てていじめていた。

 長男が就職したのを機に義母が「兄夫婦を追い出すから、お前たちが実家に入ってほしい」「私(義母)が実家を出てお前たちの家に行く(実家も私とともに移動する)」と言っていて、新築を買うというのも義母の見栄のためである。

 

 虐待されていた人の『母の愛』の渇望は常軌を逸する(じょうきをいっする)ものがある。理屈ではない。それが無いと生きられないという恐怖と渇望。

 

 長い間、夫は盆正月 程度の付き合いで、それほど義母のストレスは無かったが、義母の「頼られている」「愛してくれるかもしれない」という思わせぶりな仕草から『義母から夫へ』の『洗脳』が再発してしまっていた。

 

 現実的に子ども二人からお金を取らないと、新築で買った場合の毎月のローンは払えない。夫は自分名義でローンを組むつもりでいるが「自分が払うローン」とは思っていないので、あと15年くらいで夫は定年になり、そこからは「(俺は払わなくていいんだけど)少しは返済の協力するよ」と言っていて、35年ローンの半分以上を私と子ども二人が払うものだと思っている。

 上の子に「払いきれない」という現実を伝えて、会社の先輩に家族なら実家のローン返済を負担するという考えをどう感じるか聞いてほしいと頼み、子どもに「ローン返済に協力しない」と言ってもらった。

 もちろん夫は激怒し、「じゃあ お前の部屋は作らない。他人なんだから、帰ってきても客間に寝てもらうから」と言い、でも、上の子もローン返済はさせる形で話を進めていて、わけが分からない状態になっていった。

 

 その頃は虚ろでどうやって生活していたか、何をしたかはあまり覚えていない。

 「払いきれない」という現実が義母にも理解できるようになると、私に子どもたち二人にローン返済の協力をさせるように説得しなさいと言ってきた。

 

 義母を説得してもらうように夫の叔父に電話をして自分の希望を伝えると、「姉(義母)の思うようにしたらいいと伝えてあるから」と協力できないことを言われ「このことは嫁にも子どもにも伝えてないから、言わないようにして」とお願いされました。

 

 精神的にボロボロの状態で住宅会社から帰り「私が正社員じゃないから、私が子どもから子どもからお金を取らなければいけないんだよね?」と最近夫に何度も言われていることをこちらから聞くと「そうだよー。お前が正社員じゃないからお金がなくて子どもからお金を取らなきゃいけないんだ。」「さあ、家の中に入ろう」

と 優し気な声で威圧的に言い 背中を押してくるので、家の外で携帯電話(ガラケー)で母(実母)に電話をかけて「もう無理、来て」と伝えると、携帯を切られて優しく背中を押して家に入れられた

 

 部屋に入るときには自分の全てが乖離してしまって、夫が何を怒鳴っているか精神的に聞こえる状態ではなかった。感覚が宙に浮いた状態で部分的に冷静な自分がいる。

 部屋にいた子どもが隣の部屋に行くのが見えた。夫は激昂していて周りが見えていないだろうと思ったので、夫の足の横、死角になっている所でガラケーを開き、通話履歴から母の携帯に電話をかけて、静かに置いた

 

 (実家の距離から予測)15~20分して玄関のチャイムが鳴り夫が出ると母が立っていて「礼儀をわきまえない人に娘は預けられません!」「○○早く支度して来なさい」と恐怖で固まっていた私に言った。

 会社に行くときに使っていたバックに自分の服を適当に掴み入れ、動揺してる夫の横を通り、急いで親の車に乗った。

 

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