自伝25話/27 神経発達症 持ちの 仕事事情

 あまり知られていないことですが、神経発達症(発達障害)を持っていると、生まれながらに心身の不調がある人がいます。

 神経発達症は発達の凹凸なので、もちろん体の丈夫な人もいますが、頭痛が慢性的にあったり、お腹を壊しやすかったり、身体が重く感じて身体を上手く動かせなかったり。脳の伝達の不具合から、体調不良であることが「普通」で、本人も異常であることに気付かずに、日常的に体調不良を我慢して生活しています。

 気づいたところで、身体に異常はないので「人並」に生活するためには、ある程度我慢しなければなりません。社会に適応できず、一般就労で 働くということに苦労している人もいます。

 

 私は高卒で、18歳から働いていますが、

18~20歳(気分の落ち込みは30歳後半まで)気分が落ち込み、勝手に涙が出て仕事にならないことがあり、時々仕事を早退したり休むことがありました。

 30歳後半まで、体のだるさが酷く、遅刻が多くて、特に20代は半日寝たり1日寝たりして仕事が続かなかったです。そのような状態で子育てもしていたので、子どもにとって良い環境ではなかったと思います。

 

 作業の遅さも問題でした。

 数を数えるのが苦手で間違えないようにするために何度も確認するので時間がかかり、数を数えながら作業する仕事では人の10倍くらい時間がかかって、会社も雇っているだけでマイナスになるので首になりました。

 文字を書くのも苦手なので、書き間違いも多く、見直しても違っていることもあって、書くのにも時間がかかります。

 手作業は右手は器用に動かせても、左手がついてこれないので不器用です。

 そして、会話が苦手なので、相談できず「遅くても平気なんだ(わざと遅いんじゃないか)(申し訳ないとか思わないの?)」と言われてしまい、言い訳も上手く出来ず、ずうずうしい人と思われがちです。

 表情は意識して作らないと気持ちを表現できませんが、若い時「わざとらしい」と言われたので、自分の感情に合わせたネガティブな表情を作るのをやめています。(ミスをした時は、表情を作らないようにするので、無表情)

 

 神経発達症ではない定型発達でも、当然 得意不得意(凹凸)はあり、皆それを努力で補っているので、「出来ない」を「努力しない」と思われます。

 「努力しない」と思わない定型発達は、「どう努力したら出来るようになるか」を一緒に考えてくれますが、定型発達の脳で考えているため、「出来ない」ことを基準に考えるというのが分からないみたいです。頑張って考えてくれて、でも、出来ないことに絶望し、徐々に避けるようになります。定型発達の常識が通じない私に、恐怖を感じるようです。

 定型発達が神経発達症を理解することが難しいので、説明しても分かってもらえないことが多く、自分の障害を分かってもらうことを諦めて、神経発達症であることを「開示しない」人は多いです。やみくもに隠しているのではなく、過去の失敗から学んで開示しないのです。

 

 私の職歴は、転職回数が多く、職歴の半分強は1年未満で辞めています。(期間満期含む)

 1年未満で辞めた仕事は、人間関係より 仕事が合わないことで辞めている会社の方が少し多いです。仕事が合わない会社も、仕事が人並に出来ないことにより、周りの視線が冷たくなって辞めています。平均5.8か月です。

 1年以上続いた仕事は、自分に合っている仕事です。人間関係が悪かった会社が1社含まれています。仕事が人並に出来ないことにより、居づらくなって辞めている所と、生活費が足りないため、給料が高いところに転職しています。平均で3.3年ですが、中央値は2年で、最高が8年です。

 子どもが小さいと「よく休むから」という理由で、面接する前に遠回しに断られることが多く、低賃金の仕事しかありませんでした。面接で男性に「あなたにこの仕事が出来るの?できないでしょう!」と会ったその日に、言われたことがあります。

(数字の計算はExcelを使用しています。学習障害(SLD)で計算が苦手ですが、時間をかけて 関数を使って 計算することで、平均を出しています。1995-2023年)

 

 身体がしんどくて週5日働くことが辛い人は、障害者雇用で仕事を探したり、会社と相談して出勤日数や時間を減らしてもらう、減給してでも、仕事の量や内容を変えたり減らしてもらうことが必要かも知れません。

 働き方の改善を提案して会社に良くない印象を与えてしまう、遠回しに自主退社を勧められることが不安で我慢していることも多いので、雇用側から提案してくれれば嬉しいのですが、中には「私を辞めさせたいに違いない」と勘違いしてしまう人もいるので、雇用側が言うことも難しい問題です。

 子育てし易い職場なら、急な休みも取りやすい「だろう」し、PMS(月経前症候群)や体の弱い人でも無理せず休みが取れたり、勤務時間の短縮などに対応してくれ「そう」な気がします。あくまで『理想』の話ですが。

 

 現実問題として、神経発達症を診断する人が増えています。

 普通なら、ちょっと無理してでも「障害者」のレッテルを貼られないように診断を拒む人の方が多いですが、最近の職場は ちょっとの無理ではどうしようもないくらい『普通(標準)』を求められるので、標準に届かなくて 心身に異常をきたし、精神の「障害者」になった後、神経発達症を診断される人が増えています。

 人間は工場で生産されたロボットじゃないんだから、「標準」の枠が狭ければ、落ちこぼれが増えるのは「普通」なんだと思います。何が「障害」なんだ と、思います。

 

 私は2021年(44歳)に神経発達症を診断を受けられたので、現在 障害者雇用を選ぶために、障害者手帳を申請し、障害者職業センターで対人問題の対処法を学ぶために、行動しています。

 

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