自伝7話/27 小学生~中学生の発達凹凸

 発達障害(神経発達症)の成長は、定型発達(発達障害じゃない人)と少し違うらしい。

 母が「出来ないと思っていたら急にできるようになる」と言っていて、

私が「基礎は全然分からないけど、応用になると基礎を含めて分かるようになる」と答えているのを覚えている。(小学校高学年の記憶)

 出来ない状況がしばらく続いて、ある時突然最初から知っていたかのように出来るということが神経発達症の特性らしい。学習障害で出来ないものもあるから、親は不安になるかもしれないけど、〇歳に覚えないと一生覚えられない というわけではないから、学習は覚え方聞き方だけ知っていれば何とかなると思っている。

 

 困っていたのはコミュニケーション力。思ったことを言葉(単語にして単語を並べて文章にする)にすることが苦手で言葉が出来ないから喋れない。正解が分からないから『教えてもらった』言葉しか使えない。(敬語とか声のかけ方とか、具体的になんといえば正解なのか分からないから怖くて声がかけられない)

 人ととは、なんとなく自然に仲良くなるものなんだろうけど、『なんとなく』が分からな過ぎて「(あなたは)友達ですか?」と確認したくなる。分からないから他人行儀のまま、距離を取り過ぎて孤立、他人行儀仲間となんとなく仲良くなる。同類がいないと地獄だよね。

 

 いじめは小学校4年の時、小学校は6年間同じクラスだったけど、いじめがあったのはその2学期だけ。半年もなかったと思う。自殺したいと一瞬だけ思ってしまって、そこから30年間希死念慮に悩まされるが、『うつ病にならなければ自殺することはない』という謎の自論を立てて、脳内会議で「40歳前後には自殺願望が無くなる」と『決めて』実行する。(内的動機づけと自己暗示かな)自殺したいと思ったその一瞬 の直後に自分に「死なない宣言」をして自殺未遂をしないように自分を誘導した。

 

 ADHDの忘れ物、不注意、宿題忘れはあって人と違うことは分かっているけど、忘れることを治すことはできず、ASDのこだわりは目立たなかった。

 会話をレコーダーに取ったように覚えているのも発達障害特性らしい。定型発達は要約して圧縮保存する記憶を発達障害持ちはダイレクトに保存しているから、部分的に鮮明に覚えていて肝心なところが全く頭に入らなかったりする。

 人に注意を向けることは苦手で、動物として人間を観察することで少しは人に関心を持つことができたが、人間の社会性は複雑すぎて人付き合いの常識は分からないまま現在に至る。

 

 これだけ変わっていれば誰かしら発達障害を疑いそうだが、昔は知的障害のある自閉症でないと発達障害を疑われなかったと思う。知識もないし治る薬があるわけでもないし対処法も今ほど分からなかったから、勉強できないくらいでは問題にしなかっただろうね。

 

小学生~中学生の成績表(の通信欄)=学校の先生から見た印象

小学1年    "一学期よりは明るく元気は出てきましたが、自分から進んで誰とでもというところまではいかないようですが、誘われれば入っていきます。
仕事ものんびりしていて時間内に仕上げることができないので、目当ての時間を決めて取り組ませてみました。"

小学2年    "誕生会はかざりがかりとして良いアイデアを出して、雰囲気を盛り上げてくれました。
授業でも時々発表するようになり、給食も以前に比べて早く食べるようになるなど、〇さんなりに努力している様子がうかがわれます。しかし、宿題をやってこないことが時々あり学習にさしつかえることがあります。計画表をよく見てやるべきことはきちんとやるように指導しておりますので、ご家庭でも時々目を通してあげて下さい。"

小学3年    自分の興味を持つものに対してははっきりと反応を示し夢中になってやる姿も見受けられました。表情も明るくなりお友達もふえ、生活がだんだんたくさんの人とのかかわりの中で〇さんの新しいペースで動き始めたようです。ゆっくりではあるけれど〇さんの一言や一つの行動にみんなも目をとめ認めていく場面がいくつもいくつもありました。ご家族の協力があったからこそだと思います。

小学4年    "無口でおとなしく、遊び時間は特定の子と過ごすことが多く他の子との交わりが少ないのが気がかりです。
作業に時間がかかりすぎ未提出のものもありました。
自分で判断し、物事の処理がもう少し早くできるようになることを願っています。"

小学5年    挙手したり、考えをすぐノートに書きこんだりする様子が見られましたが、まだむらがあり手いたずらが多いのが気になります。ナップザックづくりには意欲的に取り組み、夢中になってやり、時間内に仕上がりました。が、気が向かないことへはいくら急がせてもあわてずマイペースです。運動が不得手なのか取り組みが消極的です。

小学6年    "学習への意欲が高まり与えられた課題に向けて、自分なりの考えをノートに一生懸命書いている姿が見られました。
また、考えが持てると挙手し、発言することに努力している姿が見られました。
学校でのこの意欲を家庭学習でも持ち続け、やるべき学習はきちんとやり提出できるようになることを期待します。
家庭科でのエプロンづくりでは興味ある作業だったらしく、こつこつていねいに仕上げていました。"

中学1年    "1気持ちの優しい友達思いの真面目な人柄です。しかし学級の生活ではきびきびした行動がとれず話す声が小さく意思が通じないことが多く見られました。友達の範囲も狭く片寄りがちです。学校でも1分間スピーチの時やり直してもらって積極さを持たせるようにしていますが、お宅でも励ましがんばらせてください。
2学計ノートでは様々な話題を雄弁に担任へ文章で語りかけて来ますが、生活では活気が乏しく自分の意思を十分伝えられない事が多くみられます。教科の学習では各教科とも意欲に乏しく家庭学習の努力の跡が少ないのが残念です。進路の事を考えるとそろそろ少しでもやる気を出してがんばれるよう御家庭でもはげましてください。また漢字・英単語1Pなどの未提出物がたいへん沢山あるので声をかけ見届けてやってください。"

中学2年    "明るくニコニコしているときがふえました。
もう少し、自分から意思表示ができるといいですね。
学級にとけこんでいます。係りの仕事も班員といっしょにやっています。清掃は毎日一生懸命やっています。"

中学3年    花の水替えを意欲的に行ない学級に貢献してくれました。選択の授業ではオカリナを楽しそうに吹いてくれました。清掃もとりかかりは遅いですが、黙々と一生懸命やります。とっても優しいよい人柄だと思うので、慣れてきたら、特定の仲間だけではなく、思いきって自主的に今まで話したことのない友達にも話しかけたりしていろいろな友達をふやすといいな。と思いました。

 

TBS NEWS DIG Powered by JNNYouTube動画(18分)を見つけました。

 「忘れても言えばいい」という考え方がADHDを持ってる人の救いになります。

 忘れたのを一番悔やんで恥ずかしく思っているのは本人です。

 責められないように他者を困らせないようにするにはどうしたらいいのか。

 そんなライフハックを学ぶことが、この先何十年 その特性を持って生きる人のためになります。

 

【ADHD】学生時代は「うっかり者の面白キャラ」社会人では「死にたい」…自己肯定感どうやって上げた?【発達障害】【久保田智子のSHARE】 (youtube.com)