自伝15話/27 育児の日々で発達障害という言葉を知った

 子育て中は、何かと公共施設に行くことが多い。

 定期的な検診とか予防接種とか、毎回自分たちの番が来るまで待ち時間があるから、子供が寝ていたりする時は置いてあるパンフレットなど見て過ごす。

 その中で、発達障害(現在は神経発達症と言います)の事が書かれた冊子があり、学生の時から感じていた「カウンセリングでは治らないかも知れない自分の性格」が発達障害であることがわかった。(1998年)

 

 知っていれば、発達障害児育児で起こる子どもへの誤解が減る。

 病院で診断することができない1歳頃から発達特性はあり、

  • 目を合わせることはできるけど、無視したように目をそらすことがある
  • 抱っこを嫌がったり、手をつなぐのを嫌がったりする
  • 感覚過敏やこだわりから肌着を着るのを嫌がって大泣きしたり、夏になっても冬服を着たがったり、冬でも夏のような服装をしたがったり
  • 身体が弱くて体調を崩しやすかったり
  • こちらの言っていることが説明できるのにやらない理解できていない

など、知らなければ「しつけ」なければと思い過度に怒ってしまうし、親を拒絶しているような行動を取ることもあり、育児が辛くなる。

 

 病院で診断されれば、早くから本人にとって最適な環境を作ることができる。

 3歳頃保育園から団体行動が取れない、言うことを聞かないと指摘されたので、発達障害かも知れないと相談したら「この子は発達障害じゃないです。できるのにやらないだけですと断定的に言われてしまったので、「この人は分かっていないし、分かろうとはしない人だ」と感じて理解してもらうのをあきらめた。

 小学校に上がり1年生の時から担任の先生に発達障害かも知れない」と伝えて、2年生の時に座って授業を受けられないので、一度病院で診てもらってほしい」と言われて病院を紹介してもらって受診した。

 「発達障害の傾向があります」グラフを指さしながら「今は、ギリギリクラス(授業や成長)についていけていると思うので、このままゆっくりでも成長していけば、問題ありません。でも、クラスのみんなとどんどん差が開いてしまったら何らかの対策が必要だと思います。」と言われました。

 定期的に受診してサポートを得たかったけど、夫が「学校に俺の子どもがキチガイだと言われた。絶対許さない。学校を見返してやる」と行ったこともない学校、会ったこともない先生に怒り狂い家の中で怒鳴り散らすので、これ以上の受診が出来ないことを先生に伝えるしかなかった。

 

 幸い私ほど発達障害の特性が強く出なくて、個性として認められる範囲内だったので助かった。

 

上の子どもは

抱っこを嫌がらない、おっとりしていて はっきりとものを言う

質問したことは答えるけど、興味のあることしか話をしない

絵が下手、音楽が好き、かけっこ苦手、ゲーム好き

小学校前は成長がのんびりで、小学校3年まで座って授業が受けられない

集団行動も小低学年までできずに 勝手な行動をしている

小高学年からは座っていられて、集団行動もできるようになっていた。

 

下の子どもは

抱っこを嫌がる、おとなしいのに落ち着きがない

集団行動は問題なし、雑談(世間話)できる

本読み(音読)が苦痛で怒ってやらない、読めるけど 内容が分からない(小学生まで)

中学1年の時「句読点の意味」が分かって、突然本が読めるようになる

漫画はどのコマから見るのか悩む

絵が上手、裁縫・もの作りが得意、ゲーム好きだけど他の趣味もある

中学になって(軽い)音痴に気づく

 

神経発達症(発達障害)とは(私の感じ方なので、一般の言い方と違います)

 軽度の発達障害は「個性」と呼べる程度。変わってる、不思議ちゃん、面白いやつ、○○オタクといった印象になる。

 中度の発達障害は「グレーゾーン」と呼ばれて「発達障害の傾向がある」と診断される。グレーゾーンは医療的には治療対象でも福祉の対象でもない。でも、本人が自覚できるほどの発達の凹凸があり、当人や周囲の人がとても困っていることが多い。有効な薬はないが、発達障害の対処法は有効なため、自分や関わる人が特性により困っていれば、発達障害の対処法をたくさん調べてほしい。

 グレーゾーンの中には特性が見えにくかったり、会話が苦手で問診に正しく答えられなくて重度であるにも関わらず中軽度に見えて正しく診断されないことも多い。医者が「あなたの努力の問題」と出来ないわけがないと勘違いしている場合がある。

 病気や障害は「ある」か「ない」かで診断がつきますが、神経発達症はスペクトラムである と言われていて、特性の強弱に関係なく複数ある症状の中で基準以上の特性を持っている場合にのみ障害として診断されます。ASDADHDの症状?特性?困りごと?がたくさんあれば基準値を満たし「障害だね」と認められるけど、「ASDこの特性でとても困ってて」と、一部の症状しかないと「障害ではないです」という診断になり、困りごとが解決できません。

 「障害じゃなくて良かった~」と一時思っても「障害じゃないから怠けているだけだ」と思ったり言われたりすることで無理をしてしまい、心身の不調に苦しむ人も多いです。

 複数の特性に当てはまり神経発達症と診断できる人でも、本人や周囲の人が困っていなければ診断したり、障害者だと思う必要も無ければ言う必要も無いと思います。

 スペクトラムは範囲・広がり・連続体のことで、色のグラデーションのように「ある」か「ない」かで診断がつかないもののことを指しますが、診断はそれがあるか無いかをはっきりしなければいけないので、グレーゾーンという言葉で表すようです。

 人の能力や感性は個人差があり、得意度合や不得意度合も人それぞれです。マジョリティー(大多数)の平均的な人を定型発達と言い、得意不得意の差がが大きいと神経発達症と言われて、得意が人より少なくて、不得意が多いと結果的に出来ないことが多くなり(IQが低くなる)、境界知能や知的障害となるようです。

 

 私も発達障害の可能性があったので、25歳頃希死念慮発達障害を病院で診てもらおうとしたが、自閉症ではないです」(ASDADHDを検査してもらいたかったのに)「軽い神経症うつ病ではないです」(希死念慮を軽くする薬がないか聞いたのに)と言われて、初めての検査では発達障害では無いと言われてしまった。

 子どもの診断はまだしていなかったので、保育園や学校で聞いて診断ができる病院で診てもらった方がいいと思ったので、先生に紹介してもらうまで時間がかかったが、それまでの間自分で調べて対策していくしかないと思い、本屋で発達障害の本を探してたくさん読んだ。

 

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20年前に読んだけど今でも参考になる本

 

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